早産でも母乳は出るのでしょうか?

母乳は、出産した週数に関係なく、出産によって胎盤が体外に出ることで出始めます。
これは、早産でも正期産でも変わりません。
母乳を作るホルモン(プロラクチン)は出産の時が一番高く、2~3時間ごとの搾乳を続けるたびに急上昇します。
出産後は誰でも母乳を作り始めています。

お母さんの体調が戻ったら、生まれたばかりの赤ちゃんが2~3時間ごとにおっぱいを欲しがるのと同じリズムで、2~3時間ごとに搾乳を始めましょう。
産後早期から手による搾乳を始めると、たいてい24時間前後には少なくともにじむ程度の母乳が出てきます。
でも、搾乳しないでいると、2週間で妊娠前のレベルに下がりますので、早くから搾乳を始めることがポイントです。

どうやってしぼった母乳を持ってくるのですか?

しぼった母乳は、母乳パックに入れて、速やかに冷凍庫で冷凍します。

面会時に、完全に凍った冷凍母乳を保冷バッグに入れ、保冷剤などと一緒に、凍ったまま持ってきてください。

冷凍母乳はどのくらいもちますか?

NICU・GCUに入院中は、冷凍母乳は3ヶ月、新鮮母乳は24時間、解凍母乳は12時間で使いきるようにしています。

母乳はどのくらいしぼったらいいでしょうか?

産後7~10日間は、その時赤ちゃんが飲んだ量と関係なく、できるだけたくさん搾乳することをお勧めします。

母乳分泌は、どのくらいが普通でしょうか?

お母さんと赤ちゃんが一緒に場合に比べ、赤ちゃんが入院している場合は、産後2週以降の母乳分泌が横ばいとなります。
産後2週までに1日あたり500ml以上出ていると、その後も同じくらい出続けます。
この量はちょうど退院する頃赤ちゃんが1日に飲む量(60ml×8回)に相当します。
また、いまはそんなに出ていなくても、心配はありません。
1日500ml以上はあくまでも目安です。
カンガルーマザーケアや直接授乳を始めると分泌が増えてくることがあります。

搾乳できる量が減ってきましたが大丈夫でしょうか?

搾乳回数を1日4~5回にすると、1日あたりの母乳分泌量は減っていくことがわかっています。
赤ちゃんと離れて搾乳していると、1日7~8回搾乳していても、産後4週から作られる母乳量が減ってくるのが普通です。

母乳分泌を増やす方法

搾乳する場所を一番リラックスできる場所にすることです。
自分が一番くつろげるお気に入りのスペースに搾乳器を、手の届くところに飲み物を置き好きな音楽を聴きながら搾乳しましょう。水分はのどが乾いたらその都度飲むようにしましょう。

また、乳房を温める効果とリラクゼーションを兼ねて、入浴や足湯をしたりすることも効果的です。
時間がなければ電子レンジで温めたタオルで乳房を温めるだけでも効果がでることがあります。
搾乳し始めてしばらくして急速に母乳が出てくること、搾乳器の場合はスプレーのように飛び始めることを射乳反射といいますが、これにはオキシトシンというホルモンが関係しています。
オキシトシンは乳頭への刺激以外に、赤ちゃんの写真を見る(視覚刺激)、入院中の赤ちゃんが使った肌着やタオルを家に持ち帰って置く(臭覚刺激)などすることでよく出るといわれています。
直接授乳をしていない時期や、直接授乳後も残乳がある場合は、面会時に搾乳器を持参して面会中にも搾乳をしてみましょう。

赤ちゃんが飲む量が増えてきたのはうれしいけど、母乳が足りなくなって人工乳を足すようになりました。
今までの母乳の効果は、完全母乳でないとだめなのでしょうか?

母乳の効果は、赤ちゃんが飲んだ母乳の量に応じてみられます。
1滴でも、10mlでも100mlでも母乳育児をしたことになります。
混合栄養でも長く続けることでトータルの摂取量は増えていきますので、長く母乳育児を続けることに意味があります。

赤ちゃんが眠りがちでおっぱいを吸ってくれません。どうしたら吸ってくれますか?

中には、眠りがちな赤ちゃんがいます。授乳回数が少ないと十分な栄養が摂取できなくなるため、24時間に8回以上授乳ができるように赤ちゃんを起こして授乳できるようにします。

眠りがちな赤ちゃんの起こし方

  • 赤ちゃんに声をかける
  • 赤ちゃんを起こした姿勢にする
  • ふとんや掛け物をはずす
  • おむつを替える
  • 肌と肌が触れ合うようにする
  • 背中、腕、足をマッサージする